LIFE LOG(新しい波に乗るために)

わたしが宇宙に行った話①

人類が未だ答えの出すことのできない問題、それが宇宙である。

過去様々な文明の人々がその真実について答えを模索してきたが

その真相は謎のままである。

 

今日は私が宇宙に行った話とそこで見たもの、個人的な見解を述べたいと思う。

 

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雪が降る寒い冬の日。世間はバレンタインデーで舞い上がっていた。

時刻は22時。私は軽く用事を済ませ急ぎ足で自宅に帰った。

スーツをハンガーに掛け、ラフなニットを着てプルオーバーのパーカーを被る。

ジーンズを履き、リュックにスェットパンツを詰め込んだ所で電話が鳴った。



少し部屋を片付けていくことを伝えるとそのほうがいいと言われた。

当たり前だ。どんなに急いでたとしてもここだけは譲れない。

なんせ宇宙旅行から帰ってきての掃除なんてスケールが小さいしストレスも溜まる。

 

私はある程度部屋を片付けリラックスできる空間を作った。

部屋の電気を消し鍵をかけて自転車を走らせた。



彼の家に着いたのは22時45分頃だった。

電話をかけてオートロックを開けてもらいエレベーターに乗る。

既に緊張していたのか自転車を漕いだからか真冬にもかかわらず汗をかいていた。



部屋に入ると中は薄暗く綺麗に整頓されておりベッドの横に敷布団が置いてあった。

まぁくつろげよと促されたので荷物を置いて座り煙草に火をつけた。

 

精神状態が大きく関わるので、できるだけリラックスした状態が好ましい。

彼からのアドバイスや体験などをを聞いて短くなった煙草を消した。

ジーンズを脱ぎリュックからスウェットパンツを出して履き替える。

同じタイミングで彼が宇宙行きの切符を渡してきたので手のひらに乗せてみた。

こんな小さな切符で宇宙に行けるとは信じがたい。

 

 

準備が整ったことを合図に彼が部屋の電気を消した。

同時に目の前のテレビから曼荼羅模様が映し出された。

手のひらのある切符を見ながら私は深く深呼吸をしその宇宙船に乗り込んだ。

 

脈打つ鼓動がこれでもかというくらい神経を伝って感じる。

一体どんな光景を見るのか、宇宙とはどういうものなのか。

精神と物質とはなんなのか。

全ての答えがその壁を越えた所にあるらしい。

 

鼓動は相変わらず早く脈打っているがしばらくすると落ち着いてきた。

正常に戻った心臓はさらにゆっくりと脈打ち、周りがスローモーションになって行く気がした。

しかし気がしたのではなくそれは現象として明らかだった。

視界が徐々に膨張していくのだ。認識こそできているが何故か自分の意識が追いつかない。

 

 

・・ふと気づくとなぜか大量の涙が溢れていた。事態を飲み込もうとしたが既に意味のない事だと悟った。

多分これでいい。ゆっくり目を閉じ現象を受け入れ、身を任せた。

そして次の瞬間私の肉体は消滅し人間ではなくなった。

 

続く